JWT、『2012年10大トレンド』を発表

外資系広告会社のジェイ・ウォルター・トンプソン・ジャパン合同会社(JWT)は4月19日、トレンド予測レポート『2012年10大トレンド』を発表した。
このレポートは、2006年より毎年JWT本社が行っている第7回グローバル・トレンド・レポートに、日本ならではの視点と具体事例を加えたもの。JWTニューヨークのトレンド調査チームが中心となり、世界各地のJWTプランナーからのグローバルな視点のインプットを行うとともに、小売、メディア、テクノロジー、ゲーム、都市計画、心理学、学術界など、さまざまな分野の専門家やオピニオンリーダーへのヒアリングを実施したとのこと。
レポートは10のトピックごとに、そのトレンドの「推進力」「兆候の現れ」「その意味」「考え方の始点」という構成で解説したものとなっている。トレンド予測では、オンラインリサーチツール「SONAR(ソナー)」を使用し、18歳以上の成人1,055名(アメリカ人531名、イギリス人524名)を対象に、2011年10月31日~11月8日にアンケートを実施するなどした。

■2012年10トレンドの要約

1:「ニューノーマル:新しいフツーの創出」
不況で身動きの取れない先進国世界では「ニューノーマル(=新たな標準)」が定着しつつある。
価格を最重視する消費者に対して門戸を広げるブランドが各分野で増えていく。
余分なものを省いた製品や小さいサイズなど、より求めやすくした商品やサービスを創出する新たなチャンスとなる。

具体事例):Heinz社は米国で、従来のものよりも小さいサイズの製品を希望小売価格99セントで発売。これには、10オンス(約284g)のパウチ入りケチャップや、9オンス(約255g)のイエローマスタード、ミニサイズのウスターソースや「Hein:57」ソースなどがある。

2:「たまには贅沢」
しなければいけないこと(運動、食生活の改善)と、してはいけないこと(喫煙、浪費)を常に念押しされ続け、ここ数年間の節約生活にも疲れた消費者は、節制しすぎずに生活を楽しむ方法を模索していくようになる。
人々は以前よりバランスのとれた判断をするようになっており、嗜好品など「よくない」何かを楽しむ、自分へのご褒美を送る、多々ある心配ごとから逃れるためにお金を使うことを惜しまない、など時には自分を制約から解放したい…と考える傾向が強くなっている。

具体事例):金銭的に余裕のない消費者たちの“ささやかな贅沢品”として、南アフリカではウィスキーが、英国では高級ビールが、インドでは安価なエクレアが人気となっている。

3:「Goジェネレーション」
先進国の20代たちの多くが「不公平を強いられている」と感じている一方で、不況の中でチャンスを見出している若者も多数いる。
技術進化によりこれまでのビジネス参入における障害が取り除かれつつある一方、継続的な失業状態や現状への不満などから、かつてない起業家的な考え方が若者の間に生まれている。
いわゆる「失われた世代」が、ユニークで才覚に富んだグループとなりつつある。

具体事例):JWTの調査によると、米国におけるミレニアル世代*の半数以上が、「失業した場合、あるいは仕事が見つからない場合は自分で起業する」と答えていることがわかった。この数は2009年に比べ、25%も増加している。

4:「共益時代の幕開け」
企業として単にお金を寄付するのではなく、自社のビジネスモデルを変えて、社会的な問題の改善をビジネス戦略に取り込んでいく企業が出てきている。
これは、利益の創出と社会の発展は相反しあう目標ではない、という昨今拡がりつつある考えを反映したコンセプト、すなわち「共通価値」の創造を目指したものといえる。

具体事例):オランダに本社を置くグローバル企業のPhilipsは、オランダ政府と提携し、サハラ以南の10カ国に住む1,000万人に対して2015年までにより安価で持続可能なエネルギーを提供するための入札に参加。

5:「新しい環境問題としての食料」
企業、政府、活動家団体といったステークホルダーが食料と環境の問題を取り上げ始め、環境保護の観点から、食べ物はどのように作られ、どのように販売されるべきかについての再考を促す中、我々一人一人の食物の選択が環境に与える影響が世界的な懸案となっている。
食料不足や食料の価格高騰に悩む地域が世界に増えるなか、食料に関してのより賢明な手法が、地球に優しいベストプラクティスとなっていく。

具体事例):英スーパーマーケットのSainsbury'sは2011年夏、タラ、鮭、マグロ、海老などを買いに来た顧客に対して、ニシンやサバといった持続可能な「代用の」魚を無料で提供するというキャンペーンを行った。

6:「結婚以外の選択肢」
結婚を “人生において必要不可欠な事柄としない”、これまでとは異なる価値観で人生を歩む女性が増えてきている。
このトレンドが形成されつつある西欧諸国と、その勢いが増しているアジア諸国の両地域において、これまで結婚が象徴していた「幸せな暮らし」の意味が多様化し、1人暮らしや同棲、シングルマザー世帯などとして再定義されつつある。

具体事例).2010年現在30代になる日本人女性の3分の1と、30~34歳の台湾人女性全体の37%が未婚であった。

7:「偶然がある世界を取り戻す」
個人をとりまく世界のカスタマイズ化やニッチ化が進み、私たちが目にするコンテンツや体験、付き合う人々の種類が限られてくるにつれて、偶然による新たな発見、インスピレーションや異なる考え方 を改めて自分たちの世界に取り入れることが重視され始める。
具体事例).2012年に実用化に向けてテストを開始したAirtimeは、見知らぬ他人同士が「ミックス」される、無作為なリアルタイムのビデオチャット用プラットフォームとして宣伝されている。

8:「人とスクリーンの対話」
世の中にある平面が次々とスクリーン化され、それらスクリーンはインタラクティブ化が進んでいる。
画面に向かってジェスチャーしたり話しかけたり、触ったりすることも増え、これらは日常的な行為となっていく。スクリーンと対話させることが、消費者に対する情報提供や動機付け、そして消費者との関係構築の新たな機会となる。

具体事例):ニューヨークの高級デパートBarney'sにあるレストランは、30個の個別パネルをガラス製の大きな共同テーブルに設置した。顧客はそのパネルを使って注文を行い、食事中にデパートのカタログを閲覧できる。

9:「加齢は、華麗なる人生のはじまり」
あらゆる年齢層の人々が、年を重ねることに対してよりポジティブな考え方になるに従い、加齢についての一般的な認識が変化しつつある。
人口構成や文化の移りかわり、医療の進歩などがこういった変化に一役買う中、「高齢」の意味する時期や、その言葉の意味が再定義されるようになる。

具体事例):ポーランドのビールブランドDywiecは、ジェネレーションXやベビーブーム世代の心を掴むため、「最上のときはこれから」というキャッチフレーズのキャンペーンを打ち出した。CMでは、俳優、ボクサー、漫画家などの比較的年齢の高いセレブが自分たちの人生について語り、経験やアドバイスを伝えている。

10:「デジタルがもたらす“モノ”らしさ」
様々なものがデジタル/バーチャル化されるにつれ、人々は実際に触ることのできるものを尊重し始めている。
この傾向を受け、知覚価値を向上させ購買意欲アップを目的として、デジタルコンテンツとセットになった付属品や、モノを作るために用いるデジタルツールが増えてくる。

具体事例).Sincerely社のPostgramは、旅行先などで撮った写真を絵葉書にして送ることができるスマホアプリだ。同様のサービスを提供するPostcar:o:th:Runはユーザー拡大のため、「絵葉書は、受け取る人が冷蔵庫に貼ったり、職場に飾ったりして大切にできる記念の品」とアピールしている。


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